名鉄協商株式会社

    協える仕事

    協える仕事 vol.1 「カリテコ10年を迎えて」 (前編)

    2019年はカリテコ始動から10年目、主要メンバーが見てきたサービスの移り変わりとこれから目指す未来とは。

    対談メンバー

    カーシェア事業部長 鈴木 正裕

    パーキング関西営業部長 兼
    関西法人営業部長 髙橋 裕一

    モビリティ業務室 城 聖子

    広報担当 真脇 咲

    10年前と現在

    高橋

    ここまでの10年間いろいろありましたね。私は2009年の立ち上げから2014年までカリテコの担当でしたが、鈴木部長は現在いかがですか?

    鈴木

    本当に目まぐるしい毎日です。

    高橋

    偶然にも、鈴木部長と私はかつてのマイカーリース事業で上下関係でしたね。

    鈴木

    そうだったよね。何年前の話?(笑)

    真脇

    高橋部長、ここでカリテコの立ち上げ時を振り返ってみていただけますか。

    髙橋

    構想を立ち上げたのはリーマンショックのあった2008年。COP10の会議が名古屋で行われるなど環境への意識も高まっていた頃でしたね。でもカーシェアリングについてはまだほとんど知られていませんでした。そして、車社会と言われる東海地区でサービスが成り立つか否かは自分自身も含めて誰もが半信半疑だったと思います。

    真脇

    「カリテコ」という名称の由来は「借りてこ」から来ていて、アルファベットにあてはめてみたら偶然にも「car(クルマをもっと便利に)+it(情報技術で管理)+eco(環境にもやさしい)」と示すことができました。

    高橋

    偶然にもね(笑)。でも、名鉄協商では古くから駐車場とカーリースの事業を行っていることから、車両を配置するロケーション確保と車両調達、メンテナンス、保険などの部分にアドバンテージがありました。そこにIT事業も加わり、そういった背景から見ると「カリテコ」の誕生は必然だったように思います。立ち上げ当初は本当に大変でしたよ。でもやりがいはありました。

    真脇

    それまでは世になかったサービスを広げるには大変なエネルギーが必要だったと思います。でも10年経った現在それが定着しているわけですから何だかすごいですね。

    鈴木

    さらに現在ではMaas(マース)という言葉も注目され始めているように、人々の移動手段が変化してきていて、鉄道会社でもそこへの対応を考えはじめていますよね。

    真脇

    「MaaS」とは「Mobility as a Serviceの略)」で、調べてみると「マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念」とか、「自動車などの移動手段を必要なときだけ料金を払ってサービス利用すること」などを意味するようですね。

    まさにカーシェアリングのことですね。

    鈴木

    スマホが普及してからいろんなことが可能になってきていますが、「電車に乗って、カーシェアを使って、観光地へ行く」までのルートがシームレスにつながるって便利です。

    真脇

    カリテコが始まったときはまだガラケーでの予約だったのでしょうか?

    そうですね、サービスを開始したばかりの頃はガラケーとPC、電話からの予約で、何日か 先のスケジュールに合わせた予約をされる方がほとんどでした。現在は、「今すぐ」利用されたいというお客様がスマホで予約される場合が多数を占めています。

    真脇

    なるほど。「何日か先」から「今すぐ」に変化してきたということですね。

    でもそういった変化の反面で、カリテコでは今も電話での予約受付も行っていますよ。

    鈴木

    他社ではもう電話受付はあまりやっていないのでは?カリテコでもなくそうかという話が上がっていましたが、10年前からのお客様もいらっしゃるし、結局残すことになりました。

    1度のお電話で何日間か予約されていく方も少なくありませんね。

    髙橋

    どのサービスを残すか、そして変えていくのかというのは、今、大事な判断になってきているのではないですか?

    そういった点では、対面入会も一時なくそうという話になりましたが、お客様と顔を合わせてご説明できるので、それはそれでやはり大切な機会ではないかという判断になりました。

    鈴木

    直接説明できると、約款などの細かいところまでしっかり伝えられるし、何よりもその場でお客様の不安な点を直接この耳でお聞きして解決できる点がメリットとして大きいと思いますし、お互い安心です。

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    ご利用者様と一緒になってつくり上げるサービス

    ずっと続けているサービスとしてご利用後のアンケートもあります。カリテコはお客様からの声にいかに応えられるかということを日々繰り返していますが、私にとっては、ある意味それが楽しいというかやりがいというか(笑)

    鈴木

    これだけ会員様がいらっしゃる中で、マナー意識が高い方が多いのは運用上とてもありがたいことです。レンタカーでは返却時の給油がルールで、清掃も入るから、次に利用する方もキレイな状態で気持ちよく乗ることができる。でも、カーシェアでは給油や清掃は任意だから、ご利用者様相互のモラルがサービスの品質そのものに関わらざるを得ません。

    マナーの感覚にはどうしても個人差があるかもしれませんが、カリテコでは本当に多くの方にキレイに使っていただいています。お客様のモラルでカリテコが成り立っている部分は大きいと思いますね。これまで防犯上のトラブルは一切起こってないですし。

    真脇

    レンタカーを含め従来型のあらゆるサービスでは、サービスを提供する側と利用する側の境界線がはっきりしていると思いますが、カーシェアリングでは、両者が一緒になってサービスを作り上げていく感じでしょうか。

    鈴木

    そうですね。それは日々実感するところです。これからも会員の皆様と共に、良いサービスを作り上げていければと思います。

    ITとクルマ。あらゆる進化への対応

    この10年間、ITが進化したと同時に、車も進化してきましたね。安全装備が標準装備されたり、バックモニターも今では普通の話です。そして進化はこの先も続きそうですから、カリテコにも大きく影響してくると思います。例えばEV車をシェアするようになると、ガソリンが給油されていないという問題が解消されます。

    高橋

    残りの電力量(充電量)が把握できれば、全体の管理もしやすくなりますね。

    そうですね、車とシェアリングの相性がますます良くなっていきそうです。

    鈴木

    自動運転の実験も最近は行われていますね。

    高橋

    自動運転が実現すれば駐車場の手前で降りて、車は自動でステーションに返却されるし、車室には人が乗り降りするスペースが不要になるから、土地効率も上がる、さらには念願の「乗り捨て」も可能になってきているそうですね。

    駐車が苦手という会員様もいらっしゃいますが、実現すればそういった心配も無用になり ますね。

    鈴木

    何年か先にはきっとそうなるでしょう。

    真脇

    10年前はEV車が自家用化されてきたころで、今は自動運転をどう実現していくか。本当に10年で随分変わりましたね。

    鈴木

    そうですね、どんどん実証実験を重ねて、次世代のモビリティがどんな形になるのか楽しみです。「カリテコ」も未来のモビリティに向けて貢献していきたいですね。

    みんなで!ですね。

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    ※下記写真について
    (左):2009年当時、入会の申込みはカリテコセンターでの対面手続きまたは郵送手続きのみで、現在では当たり前になったWEB申し込みは実現していなかった。写真の人物は10年前の城。 
    (中央):約10年前EVが普及し始めた。2009年環境への取組み施策として「アイミーブをちょっとカリテコ」企画を実施。
    (右):10年前、ガラケーでの予約がほとんどだった。写真は当時のご利用案内動画の一部。