歴史編

13駐車場オンラインシステム完成
キャッシュレス決済と一元管理体制が
新たなサービスと事業エリアを拓く
24時間体制で名鉄協商パーキングのお客様対応を行うコールセンター

IT技術の発展で、いまやオンライン決済が全世界で広がっている。当社のパーキング事業では、駐車場利用者の利便性向上のため、いち早くオンラインシステムの構築に取り組んだ。

始まりは「ITS世界会議愛知・名古屋2004」の開催。この関連デモで当社は松下電器産業、住友商事と共同で名鉄協商パーキング錦通伏見を舞台に、次世代型ETC車載器(現在のETC2.0)とICクレジットカードを使った駐車場料金の自動決済システムの実証実験を行った。この頃から、クレジットカード決済をはじめとするオンライン化に向けての取り組みを本格化させていく。

当社では従来、駐車場の精算機に現金と当社のプリペイドカード「Pカード」で対応していたが、オンラインシステムのプロジェクトを立ち上げ、06年より精算機メーカーの協力で当社独自のシステム構築に乗り出した。07年より、構築したシステムを各パーキングに順次導入しネットワーク化。クレジットカード決済を可能にしていった。

09年には「名鉄協商パーキング ビジネスカード」(MKPビジネスカード)のサービスを開始。これは法人利用者を対象にしたポストペイド(後払い)方式のカードで、日々の駐車料金を毎月一括で支払うことができるほか、利用履歴がインターネットで確認できることから利用者が属する法人の経理事務処理の効率化や営業管理上のメリットも見込まれた。

11年からは個人向けに「MKPポイントカード」を開始した。貯めたポイントで駐車料金の支払いができるほか「名鉄たまルン」ポイント(現:名鉄ミュースターポイント)との交換が可能で、会員は、特定駐車場で割引などの特典も受けられる。また、MKPポイントカードと同時に残高をWEB上で確認できるプリペイド式の「MKPギフトカード」も発売を開始した。MKPビジネスカードの発行枚数は20年12月時点で約2万5,000枚。MKPポイントカードの発行枚数は約14万枚。一方電子マネーとしては11年から交通系カード「manaca(マナカ)」に主に駅付近の駐車場にも対応していく。

オンラインシステムは、キャッシュレス決済の実現と同時に当社の駐車場管理を大いに進化させた。精算機のデータを一元で吸い上げ、リアルタイムで稼動分析ができるようになった。また、機器の故障状態などもコールセンターにリアルタイムで送られてくるほか、ゲートの開閉やロック板の昇降を遠隔操作できるようになったため、瞬時のトラブル対応も可能になった。オンライン化により遠隔であっても一元管理体制が可能となったことを背景に、パーキング事業の展開エリアは現在、関東、関西、九州地方にまで拡大している。

20年には名鉄協商パーキング4,000カ所を達成。これからも立地環境に応じた駐車場の計画・設計を提案し、施設利用に応じた多様な駐車サービスを提案していく。またAIや自動運転にも対応していく。

上左-「MKPポイントカード」
上右-「MKPビジネスカード」
下-「MKPギフトカード」
manacaリーダーを取付けた駐車料金精算機
営業に活かせる各駐車場利用データをリアルタイムで収集