歴史編

20新規事業への挑戦
仏ブランドベーカリーと東海エリアの食品輸出支援
仏ノルマンディ出身のブーランジェ ゴントランシェリエ氏

当社の商事部門(法人営業本部)では常に新しい商材や事業を模索しているが、海外との繋がりという点でまったく新しい事業が、いま立ち上がっている。

そのひとつが海外ブランドのベーカリー。駅への集客効果のために鉄道事業社が非鉄道事業としてベーカリーショップを駅ナカなどに展開している例がある。そこに海外ブランドの付加価値を付けるとしたら、BMWの正規販売ディーラーとしてブランドビジネスの面で当社には経験があることから、事業化の土壌はあると判断。2019年、当社はフランスを中心にアジア、中東、北米など計8カ国に約50店舗のベーカリーを出店しているゴントランシェリエインターナショナル社と日本国内独占マスターフランチャイズ契約を締結。「ゴントランシェリエ」は、フランスの伝統を余すことなく表現する一方で常識にとらわれない独創的な商品、各国の好みに合わせた商品も数多く創り出し、各国で人気を集めている。現在、出店展開に向けた準備中で、21年半ばには東京・青山で第1号店をオープン予定。首都圏で数店舗を展開してノウハウを確立し、全国にフランチャイズ展開を目指していく。

もうひとつは食品の輸出支援事業。19年、当社と名古屋鉄道(株)、ソフトバンク(株)のベンチャー企業で日本食輸出支援プラットフォーム「ウマミル」(umamill)を提供するumamill(株)が、東海エリア(愛知・岐阜・三重・静岡)の食品メーカーや生産者を対象とした食品の輸出事業の支援に関する連携協定を締結。ウマミルは日本の食品メーカーが自社の商品情報や画像を無料で掲載でき、海外の食品バイヤーが気に入った商品のサンプル品を購入する前に無料で取り寄せることができるプラットフォームで、海外への輸送と関連する手続きなどはumamill(株)が代行するため、日本の食品メーカーは国内取引と同様の手続きで商品を海外に輸出することが可能となる。いわば、WEB上の見本市を世界に向けて発信するシステム。その中で当社の役割は、東海エリアのサポーターとしてウマミルの新規顧客の開拓と商品の販売支援(海外の食品バイヤーによる各商品の評価のフィードバックや分析、問い合わせ対応の支援)。ウマミルの活用により、食品メーカーの輸出機会を創出して事業成長を支援することで東海エリアの活性化に貢献する。対象とする食品メーカー(生産者)は約100社(21年2月現在)。シンガポールと香港、カンボジア、オーストラリアに向けて事業をスタートしたが、タイ、台湾と展開を予定している。食品事業部としても、この事業は東海エリアの生産者の隠れた名品を探し出して国内販売にも活用できるルートだと期待している。

厳選素材で作られるゴントランシェリエのクロワッサン
日本食輸出支援プラットフォームumamill