歴史編

2事業の黎明
パーキングからカーリースそして商事部門へ
コーヒーショップ「ミリ」店内

1971年4月に本格的な営業を開始したニッポンレンタカー中部(以下NRC)では、同年10月に名鉄新岐阜駐車場内にも営業所を新設。これによって中部地方一円にわたる事業エリア内の営業所ネットワークが完成した。営業の重点を安定したユーザーを確保できるビジネス需要に置き、中部地方では初の試みとして朝夕の出勤・帰宅時に割安で利用できる「通勤レント」や「ビジネスレント契約制度」を開始。個人ユーザーに向けたレジャー需要に対しては「NRC会員制度」やグループの強みを活かして観光コースをセットした「名鉄パックレンタカークーポン」、「会員制ドライブツアー」などを販売した。またトラックやバンのレンタル需要の高まりを受け、金山橋営業所をトラック専門の営業所とした。

また、レンタカー事業以外にも交通量の激増に伴うパーク&ライドの需要を受け、新一宮、金山橋、犬山各駅前駐車場の管理運営を開始。77年には24カ所、延べ5万m2の敷地を運営し、総収容台数は2,200台に及んだ。

さらに社用車として1年以上特定のユーザーに貸し出すカーリース需要の高まりを受けてリース業にも進出。1974年には、名古屋駅前にリース車の管理事務と点検整備を行うリースセンターを新設した。77年時点でのカーリースの契約は86社。約450台が稼働した。

その他、NRCでは経営の多角化として、新岐阜駅各務原線改札口横を改装して72年にコーヒーショップ「ミリ」を開店。店名の「ミリ」は、どんなことでも第一歩が大切。その一歩も1ミリからはじまり、すべての基本になるという主旨から名づけられた。また同年、自販機による商品販売も手がけ出す。これがその後の当社の商事部門の幕開けである。最初はホテルなどに向けて、自販機貸与を付け加えてのトラベルセットなど中身商品の販売をしていたが、市場の拡大に応じて自販機本体の販売・リースも手がけ、76年にサニーワールド長島に完成した「オートスナック長島」には飲食の自販機45台とゲーム機35台を設置するなど、取扱品目と販売網を広げていった。また74年には厨房機器、電気機器、家具などの販売も開始している。

コーヒーショップ「ミリ」オープン(1972年7月)
新岐阜駐車場に立体駐車装置を導入(1975年)
名鉄本社8Fに設置されたタバコ自販機(1974年)